地震のしくみ

地震対策の基礎知識地震による被害について

増加する屋内での地震被害と長周期地震動

建築基準法改正以後の建物が増えた近年では、地震動による被害の多くは建物内で発生しています。家具類の転倒・落下による被害が多いということは、対策によって防げるのだとも言えます。特に、耐震・免震技術の向上とともに増えた高層ビル内では地上に比べ長時間大きく揺さぶられることになるため、より強固な対策が必要です。あなたの身近な建物で、地震に備えた被害防止策と安全な避難経路への対策がとられているか、チェックしてみましょう。

長周期地震動とオフィスでの被害

地震発生のメカニズム

高層ビルと共振して、震度以上に長時間大きく揺れる

地震動にはさまざまな周期成分の震動が混在しますが、その中で、周期の長い成分を多く含んだものを長周期地震動といいます。長周期地震動は、周期が短い地震動に比べエネルギーは小さいものの、減衰せず比較的遠方まで伝わる特性があります。また、長周期地震動は、固有周期が長い高層ビルや構造物と共振するため、建物の変形量が大きくなり、揺れが収束するまでかなりの時間を要します。
2003年の十勝沖地震では、震源地から約250km離れた苫小牧市の石油タンクがスロッシング(液面揺動)により損傷し、火災が発生しました。また、2004年の新潟県中越地震では、震度3だった都内高層ビルのエレベータ6機がケーブル切断事故を起こしました。このように長周期地震動は、震源地が遠いからといって油断は禁物です。

地震発生のメカニズム

キャスター支持事務機がオフィス内を疾走する!?

長周期地震動により高層階オフィスで想定されるおもな被害内容は、書架・ロッカーなどの転倒や、事務機(コピー機、FAX、シュレッダーなど)の移動などが考えられます。書架などは床や壁に固定することができますが、事務機はキャスター支持が多く、何の対策もしないと長周期の揺れで数mも移動してしまいます。加速してきた重量物と壁の間に挟まれた場合の衝撃は、その重量の数倍にもなるため、生命・財産への被害防止に移動防止対策は極めて重要です。

断層

断層

上層階ほど大きな揺れによりオフィス家具類が転倒

福岡県西方沖地震後、福岡市内の中高層建物に入っているオフィスにアンケートを実施した結果、次のような被害が発生していました。約3割以上のオフィスで家具や家電製品等の転倒・落下が発生しております。地震発生が休日であったことから、負傷者の発生は1.6%に留まりましたが、就業時間中に地震に見舞われると、オフィス家具類の転倒や落下物で負傷する危険性が高く、オフィスの地震対策として家具類の転倒・落下防止対策が重要であるといえます。
また、オフィスビル31棟への調査では、オフィス家具類や家電製品等の転倒・転落は、低層階から上層階へと高くなるに従って多くなる傾向がありました。中高層建物は、建物全体がしなることで建物の損傷を防ぐように設計されているため、上階ほど大きな揺れとなる傾向があります。超高層建物では、建物全体がゆらゆら揺れる傾向にあります。

東京都での被害想定

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約54,500人が家具類の転倒、落下により負傷との想定も

東京都の被害想定によると、東京湾北部を震源としたマグニチュード7.3の地震が冬の夕方(18時)に発生した場合、都内全域で約54,500人が家具類の転倒、落下(屋内収容物の移動、落下)により負傷すると想定されています。家具類の転倒・落下防止対策は、地震時の負傷者防止対策として最も重要かつ有効です。

近年の地震に見るけがの原因

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半数近くが家具類の転倒・落下

近年発生した大きな地震で、けがをした原因を調べると、約30~50%の人が、家具類の転倒・落下によるものでした。家具類の転倒・落下は、直接あたってけがをするだけでなく、つまずいて転んだり、家具が倒れたときに割れた食器やガラスなどでけがをしたり、避難通路を塞いだりするなど、いろいろな危険をもたらします。




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